2017/08/13

浦和対策と、浦和対策対策

▼・ω・▼ノばぅー


レッズの不調は根深いですね。ここ数試合、まったく勝てない。
点が取れてもそれ以上に失点してしまう。
去年の堅守は一体どうしてしまったんでしょうね。

DAZNを見てると解説の人がしきりに
「浦和対策」「浦和戦への準備」という言葉を使っているのですが、
実際、フィールド上ではどんなことが行われているんだろう?
というのを考えるのが、今日のテーマです。

名付けて、各チームの対浦和戦術。



■浦和対策

ミシャが日本に来たのが2006年。
最初からやってた訳じゃないでしょうけど、1
2年もこんな独特の可変システムをやってれば、研究されるのは当然の話です。
ミシャ式を受け継いたポイチは3度リーグ制覇をして、
浦和も2位と3位を(不本意ながら)繰り返してますし、
その間、様々な浦和対策がとられてきました。
それでも、それを撥ね退けて上位に食い込んできたのは、
このシステムが有効である証左のひとつだと思います。

さて、では、実際、どんな対策が取られてきたのでしょう?


①ベタ引き・ロングカウンター


まず浦和とやる時に、
特に格下のチームが最初にとる戦術はベタ引き&ロングカウンターです。
W杯アジア予選の1次なんかでよく見るアレです。
ゴール前に人数をかけてブロックを形成して、1-4-1-4で守備。
引き分け狙い。あわよくばセットプレーかカウンターで勝ち越しを狙うスタイルです。

ところが、これはどのチームも上手くいきませんでした。

単純に、90分間、浦和の攻撃を防ぐことができないのが理由ですね。
ブロック守備には、とにかく規律が求められます。
左右に散らされるボールに対して、都度ポジションを修正して、
急に飛び込んでくる攻撃的な縦パスを弾き返す。
人とゾーンとボールを見続けて集中を切らさずに戦うのは至難の業です。
事実、殆どのチームはことごとく大量失点し、
ほどなく「浦和の攻撃を90分間受け続けるのは不可能」という結論を出しました。



②ハイプレス・ショートカウンター

次いで取られた対策が、ハイプレス&ショートカウンターです。
ラインをやや高めに設定してプレイエリアをコンパクトに保ち、
中盤で強いプレスをかけて相手のミスを誘ったり、
ボールを奪ってからの速攻を狙う方法です。

これは、一定の効果がありました。
前半の早い段階でのハイプレスは効果的で、
浦和も広島も先制点を奪われることが度々ありました。

サッカーにおける先制点というのは、重要な意味を持っています。
1失点したチームは攻勢に出なければならないため、
チームバランスを崩してでも攻めに注力しなくてはいけなくなります。
先行できたチームはそれを受け止めて、
前に出てきたチームの裏にボールを放り込むだけで2点目3点目が狙えるので、
試合運びにおいて圧倒的な優位に立てるのです。

しかし、浦和や広島にとっては、先制されることはあまり痛手ではありませんでした。
どうせ攻撃のことしか考えていないので。

1失点したら、2点取る。
それがこのシステムの根本的な考え方であり、ある意味、強さです。


浦和相手に引いて守ってもなかなか守りきれないことは充分証明されているので、
浦和はいつも通り相手をゆさぶり、相手を走らせ、疲れるのを待って得点を狙えばいいだけです。

1点取って状況がイーブンに持ち込まれれば、
相手は守り続けるのか、再度攻勢に出なければならないのかで決断を迫られますし、
1得点した浦和は勢いづきます。
試合運びという点で言えば、浦和や広島は迷いがない分相手よりも有利とも言えます。

また、ハイプレス・ショートカウンターには致命的な弱点があります。
それは、スタミナです。どんなチームも90分間ハイプレスを続けることはできません。
ハイプレスは選手のスタミナを急激に消費します。
一流クラブのチームでも、全力でハイプレスをかけられるのは15分が限界だと思います
(主観ですが)。
ペース配分をして多少サボったり守ったりして、せいぜい60分。
後半15分以降は足が止まる選手が必ず出てきて、そこが致命的な穴になることが往々にしてあります。
去年の1stステージのガンバは猛烈なハイプレスで浦和を追い立てましたが、
後半の息切れが凄まじく、4-0で浦和に完敗しちゃいましたしね。

カウンターに対して構造的な脆さを持っているミシャ式システムですが、
そのカウンターをメインに据えた戦い方が空転してしまうというのは、なんとも皮肉ですね。
よく出来たシステムだと思います。



③マンツーマンで全部ハメ込む


一方で、システム的な側面からのアプローチもありました。
それは、ゾーンではなく、人を割り振ってマンツーマンで戦うという選択です。
これはアンチミシャシステムとして効果的でした。

フィールドプレイヤー10人に対して、10人のマークをつける。
こうすれば、システムはもう関係なくなります。
あるのは常に局所での1vs1。
球際での強さが発揮できれば、浦和の戦術を「殺す」ことができるのです。

FC東京やガンバ大阪なんかは、こういうやり方で浦和や広島を苦しめることがよくあります。
とはいえ、マンツーマンならマンツーマンへの対策があります。
詳しくは「過去記事」を見てもらえるといいのですが、相手がマンツーマンで挑んでくるなら、
パスワークとコンビネーションで打開するのがミシャのサッカーです。
浦和にはそれができるだけのハイレベルな選手が揃っていますし、それは浦和の得意とするところです。

また、10対のマンツーマンを作って浦和の良さを消すことができても、
一方で自分たちの攻撃ができるかという点で難しい側面もあります。
失点を防げても得点が見込めないようでは、
優勝を目指すガンバやFC東京が積極的にとりたい戦術にはならないのでしょうね。
効果的ではありながらも、これだけではまだ不十分。そんな対策だったと思います。



④5バック&縦の楔を徹底的に潰す


他に効果的なやり方として、「縦パスを潰す」という戦い方があります。
前線で張る5トップに合わせて5バックを取り、ボランチをマンマークする。
ビルドアップは自由にさせるけれど、
バックラインからボランチ(柏木)・2シャドー(武藤、李など)に出す縦パスには
厳しく当たって徹底的に潰す
そうすることで前線のコンビネーションを潰し、相手のFWに決定的な仕事をさせないようにします。

シンプルで伝統的な方法ですけれども、これが結構ハマりました。

メリットは2点あって、まず第一に、的が絞りやすいことです。
ボランチとシャドーに対する縦パスだけ見ていればいいので、守備の負担はかなり軽減されます。
横パスはいくら通されても構わないけれど、攻撃のスイッチになる選手へのパスだけは徹底的に潰す。
浦和で言えば、柏木・武藤・興梠への縦だけ潰しておけば、
サイドをえぐられようが、バイタルエリアの外側でいくらボールを回されようが、
あまり脅威にはならなかったんですね。

浦和のサイドは確かに強力なドリブラーなんですが、クロスとシュートの精度がいまひとつなんですよね。
中央にあまり高さがないことも含めて、思ったほどサイドアタックからの脅威は大きくないのが浦和の辛いところです。
駒井・関根は、もう少しキックの精度が上げられれば、小兵ながら世界でも充分活躍できるんじゃないかと思うんですが……。

ミシャも当然この問題は承知していますので、ボランチの代わりの攻撃の起点を前線に作っています。
それが槙野と森脇の攻撃参加です。
柏木と武藤が警戒されるのは織り込み済みで、
それなら更に起点を増やして相手の的を絞りにくくさせたり、縦パスを通させたりしています。
現在、槙野と森脇は、SBとCBの間に縦パスを入れるマシーンみたいになってますね。

流れとしては、

①柏木・武藤への縦パスはマークされてて通らない

②FWにチェイスされているので、サイドにはたく

③なんやかんやでWGにボールがおさまる

④WG(ex駒井)から森脇に横パス、と同時に駒井はパス&ゴーでDFラインの裏に走る

⑤森脇がワンタッチで駒井にワンツー

みたいな感じです。


なので浦和側からの理屈で考えると、
森脇と槙野の攻撃参加っていうのは、
単純に駄目っていうわけでもないと思うんですよね。
理屈があって、意味がある。
意図があってやってることだとわかります。

ただまあ、問題は勿論あって、
槙野と森脇はあんまり足元が上手いプレイヤーではないのでそこで奪われると大惨事、とか、
常に2人同時に上げなくてもいいんじゃないか?とか、
ボールロストしてからの守備の開始ポイントが曖昧だから
守備がまったくハマらずにカウンターを貰いすぎてる、とか、諸々。
メリットとリスクが釣り合っているかというと、ちょっと難しいところかもしれません。

第二のメリットは、前向きな守備ができることです。
うまいこと楔のパスをカットしたり、奪取することができれば、
前への推進力そのままにカウンターに繋ぐことができます。
スペースを抱えた浦和がカウンターに弱いのは周知の事実なので、
ここで奇しくもカウンターが活きてしまうんですね。
最近の失点の多くがカウンターからもたらされるのは、この楔のパスを狙われてるのが大きいと思います。
無論、自分たちのミスパスも多いのですけどね……。



⑤ビルドアップ封じ

そして最後に、ビルドアップ封じです。
後方でのパス回しにプレスをかけてミスを誘うやり方ですね。
FWの守備というのは、ボールを奪うことが目的ではありません。
FWの守備の目的は、パスコースを切って、相手のパスコースを限定することです。
相手のボランチにパスを入れさせたくはありませんので、中央へのパスコースをまず切ります。
そこで、相手ボールをサイドにおいやれれば合格点です。
ある程度限定されれば、中盤の選手は網をかけやすくなります。
相手DFが出しどころに困ってサイドに出したボールに、
味方MFが勢いよく襲いかかれば、絶好のチャンスになるわけです。
パスコースを限定する→先読みしたMFで奪う、の二段構えですね。
DFがボールを奪われるのは超リスキーなので(当たり前)、
通常、DF陣は相手FWよりも1枚多く人数を割いてビルドアップをします。

ところが、最近の浦和は後方で数的優位を確保できなくなってきています。
なぜか。
相手が同数の人数をかけてプレスにくるからです。

通常、DFにプレスをかけるのはFWで多くても2枚なのですが、
浦和のビルドアップに対してはFW+トップ下、
それでも足りなければボランチまでが人を捕まえにプレスをかけにきます。
前に4人、DFが5人となれば、中盤には大きなスペースが生まれてしまい、
守備側にとっても大きなリスクを抱えることになりますが
、ラインを高く設定してリスクをコントロールしています。

浦和にはロングフィードが上手な遠藤・西川が居るので、ラインが高ければすぐに裏を狙われます。
そういう意味で、リスクも抱えているんですよね。

結局、ビルドアップ封じというのは、
ハイプレス・ショートカウンターを中盤でしかけるのではなく、
浦和のDFでから仕掛けるというショートカウンターの亜流みたいなスタイルですね。
当然FWのスタミナの消耗も激しく、メリットだけではないんですが、
柏木あたりにプレスをかけて空転させられるよりは、
遠藤・槙野・森脇・阿部ちゃんを相手にする方が、対戦チームとしてはやりやすいのかもしれません。

以上、各チームの浦和対策でした。
今、浦和対策をとってくるチームが採用するのはほとんど、④と⑤の複合技ですね。

ビルドアップでプレスかけられて楔を狙われたとき、浦和はどう対処していくのか。
今後の采配が気になるところです。
(気楽にロングフィードポンポン入れたらいいと思うんですが、どうもミシャの哲学には反するようですw)



■浦和対策の対策


相手の浦和対策に合わせて、浦和の選手たちも冷静に相手のをついていると思います。
具体的には下記のような感じで。
ただ、どちらかというと、プレスされたときにショートパスに拘る傾向が見えると思います。
縦ポンサッカーとかロングボール戦術は馬鹿にされがちですが、
ただの場当たり的なロングボールと、戦術として狙いを共有した組織的なロングボール戦術は全然違います。
もっと自分たちの強みに誇りを持って、打てる手を徹底的に打って欲しいなぁと思います。


①ベタ引きロングカウンター

延々攻める。とにかく攻める。スペースが少ないのでコンビネーションで剥がす


②ハイプレスショートカウンター

焦らない。相手を走らせてスタミナを使わせる。ロングボールで裏狙い。


③マンツーマン

選手同士の距離感を狭めて、ワンタッチでつなぐ。


④楔狙い

楔ポイントを増やす。ワンタッチとドリブルで剥がす。無理な楔でリスクを負わない。


⑤ビルドアップ封じ

ロングフィードで縦ポンサッカー。ポジショニングを大切にして、セカンドボールを拾う。
できれば相手FWを走らせてスタミナを奪う。




■じゃあ何で勝てないの?

で、じゃあ、何で浦和は今勝てないの?という話なんですが……

正直、よくわかんないです(すいません!)。

サッカーは足でボールを扱うという、ミスして当然のスポーツなので、
個々人のミスを責めることはあんまり意味がないと思います(勿論、個人は反省するべきでしょうが)。

ミスは織り込み済みで戦わねばなりません。
また、浦和対策といっても一長一短、完全にミシャのシステムが封殺されているわけではありません。
ま、もうちょっとロングボール使えばいいのに、とは思いますが……。

それでも強いていうなら、守備意識の薄さが一番大きいのかな、と。指摘するなら、以下五点でしょうか。


・カウンター受けてるのに帰陣が遅い

・ファーストディフェンダーがつかず、ディレイ&ジョッキーができない

・ファウルで止める意識がない(プロフェッショナルファウル)

・組織的守備の整備

・負けていても走り負けている

守備のスイッチが明確ではないので、
全員の守備に入るタイミングがバラバラで、守備が連動してこないんですよね。

個々人はベストを尽くしているように思います。
負けて悔しくない選手もいないでしょう。
ひとつ守備の約束事を用意してあげるだけで、
組織としてもうちょっとまとまれるんじゃないかな、と思います。

優勝したポイチ広島の時のように、
WGが全力帰陣&2シャドーによるディレイで全員がリトリートして、
5-3-2ブロックを作るんでもいいです(ミシャは『万里の長城』と皮肉ってましたが)。
今は全員が個人の思惑で守備にいって、ことごとく空転してます。

守備については、何らかの組織をひとつ提案して奪いどころを全員で共有させてあげることで、
選手たちの守備IQを引き上げてくれるんじゃないでしょうかね。

それから、メンタル面での話で恐縮なんですが……
ヤバい場面ではカード覚悟で後ろから引き倒すメンタリティ。
相手よりも走り勝つという気概。
そういうのが見えないのは、サポーターとしては不満ですね。

考えるサッカーは賢さを重視するサッカーですが、賢く振る舞おうとするあまり、
泥臭いチャレンジャースピリットを忌避してしまっているように思います。

賢いことと一生懸命は、別に矛盾しません。
どうしていいか分からないなら、とりあえず走ってみることで、
チームの閉塞感を少しは払拭できるように思います。

WGは守備時に全力で帰陣して欲しいし、
マークを受け渡した後でも他の選手はフォローのために走って欲しい。
周りの選手が『ミスしないだろう』という意識でプレイしてるので、ひとつのミスが決定機になってしまう。

『ミスするかもしれない』という意識でフォローアップのポジショニングすることが
大事になってくるんじゃないかなぁ……とぼんやり思ってます。

ちゃんと結論が出ずに申し訳ないですが、今日のところはこの辺で。
頑張れ浦和。We are Reds!
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2017/06/27

ポゼッションサッカーの特徴と浦和の不調

▼・ω・▼ノばぅー
我らがレッズは昨日とうとう格下の鳥栖にも完敗し、
いよいよもって後がなくなってまいりました。
15節を終えた時点で、7勝6敗2分け。
特に4月の大宮戦で負けて以来、リーグ戦での結果は1勝5敗1分け。
しかも結果だけでなく内容も惨憺たるものとなれば、
レッズファンとしては心中穏やかならざるものがあります。
おのれミシャ。手元にある4枚のチケットをどうしてくれる……(行けよ)


↓飼い主の憂さ晴らしに監禁された犬

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今日はそんな浦和の不調を、ポゼッションサッカーの特徴と絡めて考えていけたらと思います。
簡単に書くつもりがすごく長くなってしまったので、最初に結論から書いておきます。読み飛ばし推奨。



■本日の主題

・ポゼッションサッカーはトライアングルと数的優位で常に複数のパスコースを用意する

・ポゼッションサッカーを成立させるにはボールを保持するだけでなく、
 プラスαで「強力なストライカー」と「前線からのプレス」が必須

・ポゼッションサッカーの天敵はカウンターなので、
 カウンター対策がないと、システムとの整合性が取れない

・浦和のここのところの不調は、
 「ラファエル・シルバの怪我で得点が取れなくなったこと(ストライカーの不在)」と
 「前線からのプレス」が機能していないこと (そもそも「前線からのプレス」は最初から機能していない)

・前線からのプレスの有無に関係なく、浦和にカウンター対策の安全弁が全くないことは大きな問題



また、前置きが大変長くなっておりますので、本論から読みたい方は下の「■ポゼッションサッカーに必須なもの」から読んでいただいても全く構いません。むしろ強く推奨します▼・ω・▼




■ポゼッションサッカーとは

「ボールを7割支配すれば、8割の試合に勝てる」
というのはポゼッションサッカーの伝道師、ヨハン・クライフの言葉です。

ポゼッションサッカーとは、オランダのトータルフットボールにその源を発し、
クライフ主導の下アヤックスで萌芽し、
バルセロナで花開いたサッカー戦術の1つです。

ポゼッションサッカーをつきつめたグァルディオラ時代のバルセロナは、
その圧倒的な支配率と華麗なパスワークで世界を制し、
サッカーの一時代を築いたのです。

では、そもそもポゼッションサッカーとは何なのでしょうか?

あてくし如きにポゼッションサッカーを語るのは少し荷が重いのですが、
頑張って考えてみたいと思います。
ポゼッションサッカーとは、相手よりもボールを支配し続け、
パスで相手の守備を崩してゴールを狙うサッカーです。
現代サッカーの守備では個人に「この範囲を守りなさいよ」というゾーンを設定し、
そのゾーンを守ることで相手を跳ね返す方法が主流です(ブロックの守備もゾーンです)。

ポゼッションサッカーはその設定されたゾーンとゾーンの隙間に入り込むという特徴があります。

ゾーン間に攻撃側の選手が侵入し、
守備側の選手と選手のスキマを短いパスでどんどん繋いで、
じりじりと相手陣内に浸透していきます。
守備範囲の境界でボールを回されるため、ボールの取りどころがなく、
そのためゾーン守備にとって相手のポゼッションサッカーというのは原理的には天敵になります。

また、距離感の近いショートパスでボールをつなぐため、
相手はボールを奪うために守備網を収縮させていき、
結果として、周囲に大きなスペースを生み出してしまいます。
そして、その空いたスペースにまた人が入り込み、決定的な仕事をする。
これがポゼッションサッカーの典型的なパターンです。

余談ですが守備というのはそもそも「相手の攻撃に対するリアクション」ですので、
原理的に守備側は後手に回ることになります。
ポゼッションサッカーは、ボールを持ち続けることで常に先手をとり、
相手を自分たちの思い通りに動かし、
自分たちの都合のいい形を作って、得点をすることを目指しています。

先手のポゼッション、後手の堅守サッカー、という構図ですね。

現在はこのポゼッションサッカーに対するワクチンとして、
後の先を狙った「堅守速攻のカウンター型サッカー」が考案され、
現在ではポゼッションと並んでサッカー戦術の2大潮流となっています。



■ポゼッションサッカーの基本戦術

具体的なポゼッションサッカーの手順は、以下の通りです。


①トライアングルを作って、足下へのパスを連続させてボールを保持する

②危なくなったらバックパスを使い、安全弁を確保する

③ボールを失ったら、直ちにその場書から守備に入る

ポゼッションサッカーは、原則として、ボールロストを考慮に入れません。
失いそうなら一旦後ろに下げてやり直せば良いだけです。
一方で、もし失ってしまったとしても、
その瞬間から即座に守備に入ってボールを奪取しようとします。
局所局所で相手の守備よりも数的優位を作らなければボールを保持できないため、
どうしても攻撃時は前線に沢山の人数をかけます。
そのため、ひとたびボールを失ってしまうと、
少数の守備陣で広大な背後のスペースを守らざるをえず、
カウンターの格好の餌食になります。
しかし、ボールを失った直後であれば、局所的には数的優位な状態であるため、、
その場で相手を囲い込み、ボールを奪うことは可能です。

そこでポゼッションサッカーをする場合は、奪われたら即ディフェンスが鉄則です。

かつてのグァルディオラ時代のバルセロナでは
「ボールを奪われたら5秒以内に取り返す」という5秒ルールが存在していました。

5秒以内に奪い返すことができなければ、
いかなバルサといえども、厳しい状況に陥ってしまうためです。
そういう意味で、ポゼッションサッカーの守備というのは、
オールコート・マンツーマン」と言えますし、
オランダのトータルフットボールの系譜を正しく受け継いでいるともいえます。


④ロジカルなビルドアップ

ポゼッションサッカーのビルドアップはとてもロジカルです。
常に数的優位を保つ必要があるため、
組み立てに参加する選手・方法は整理されています。
浦和の場合、遠藤・森脇・槙野のCBと折りてくるボランチの阿部、
時には柏木も参加して攻撃のビルドアップを組み立てます。

ビルドアップの目的は、3対2、ないしは4対3で数的優位を作って、
1列前でフリーの選手を作ることです。
ビルドアップに参加するにはキックが正確であることが第一に求められますので、
浦和ではビルドアップの起点はCBの遠藤になることが多いですね。

遠藤はかつてのドルトムントのフンメルス(現在はバイエルン)のように正確なキックができるため、
ロングフィード一発で両WGの宇賀神・関根、
もしくはDFラインの裏に飛び出した興梠へと決定的なパスを送ることができます。
これは遠藤の、そして浦和の持つ強力な武器です。
ここをフリーにするといいように崩されてしまうため、
対戦相手のFWは遠藤へのプレスをかけざるを得ません。

例えば、浦和のGK西川からのビルドアップを考えてみましょうか。

西川にボールが渡ると、
浦和のCBの遠藤と森脇・槙野(どちらか1人)は左右に大きく広がります。
そしてCBがワイドに広がった分、
押し出されるようにWGが高い位置へと上がり(ま、最近は下がってくることが稀ですが……)、
その代わりにボランチの阿部が最終ラインまでおりてきます。
チームの心臓である柏木もセンターサークル付近までおりてきます。
プレスをかけてくる相手の前線の選手が2人なら3人で、
3人なら4人でボールを回して、数的優位を保ちます。
ここで最も大事なのは、3人なり4人のポジショニングで、角度をつけることです。
先述の通り、ポゼッションの基本はトライアングルを作ることなので、
横一列に並んでしまうとパスコースを確保できず、
自陣の深い位置で相手FWとのリスキーな勝負をしなくてはならなくなってしまいます。

そして、柏木がフリー&前を向いた状態でボールを受け取ることができれば、
浦和の攻撃のスイッチが入ります。
仮に良い状態で受けられなかったとしても、
そうやってトライアングルでパスを回しながら、
相手のマークがズレたらそのゾーンの間に入り込んで前進する、を繰り返して前にボールを運び、
ゴール前まで持っていけたらしめたものです。

一方で、ゴール前の中央(バイタルエリア)というのはどのチーム守備を強く固めているため、
ビルドアップの終着駅というのは大抵、WGの位置になります。
WGにはサイドをラインで区切られ、前にも選手がいません。
前に進むためにパスという選択肢が限定されるため、
ポゼッションをするようなチームは、大抵、WGには縦への突破力が求められます。
そのため、浦和のWGは宇賀神・関根・駒井と、スピードやドリブルの上手な選手が起用されるのです。
しかし、ロジカルな組み立てというのはパターン化ということであり、
パターンは必ず研究され対策されます。
ポゼッションに対してはハイプレスが有効な手段ではあるのですが、
どんなチームでも本気でハイプレスをすると20分前後でスタミナが切れてしまいます。
Jリーグでも去年の1stステージでガンバは浦和相手にハイプレスを仕掛け、4-1で完敗しています。
ですが前線でのプレスはそこそこ効果を発揮することがバレてしまったので、
全員でプレスをせずに、要所だけを厳しく当たる戦術を各チームがとるようになりました。

プレスをかける要所は2点です。

ロングフィードのある遠藤を潰すことと、
パスの終着点である柏木・宇賀神・関根を潰すこと。


どうせ中盤には浦和の選手もおらずスカスカなので、中盤は捨てます。

そうやってパスの出る場所とパスの受け手をピンポイントで絞ることで、
浦和のビルドアップは機能不全に陥りました。
ポゼッションサッカーの大家であるグァルディオラでさえ、
相手に的を絞らせないために試行錯誤を繰り返しました。
バイエルンでは最終的にSBがボランチの位置まで移動したり(フィリップ・ラームとか)、
WGがCBの位置に移動したりと、非常に複雑なポジションチェンジを繰り返し、相手の追撃を躱しています。
対して浦和はポジションと選手の位置を固定してパターン化したビルドアップをするため、
一度研究されてしまえば、非常に狙いやすい的になってしまっているのが現状です。
……と、ここまでが、前置きです。長いなぁ……(・ω・ )



■ポゼッションサッカーに必須なもの

サッカーはいくらボールを保持しても、ゴールを奪えなければ勝つことはできません。
ポゼッションサッカーをするためには、ポゼッションにプラスして、

「①崩し切る力」
「②フィニッシュの正確さ」
「③連動した前線でのプレス」

が必要不可欠です。

バルセロナが勝つことができたのは何故か。
それはメッシが居たからです。
ポゼッションでゴール前ギリギリまで持ち込みますが、
最後にゴールを奪うのは、メッシの個人技です。
狭いゴール前をスピードや技術、フィジカルで切り抜けるだけのタレントがなければ、
ポゼッションサッカーは成立しないのです。

メッシが年齢のため能力が衰えてくると、
バルセロナはネイマールやスアレスといった選手を獲得せざるを得ませんでした。
バルセロナのサッカーが隆盛を誇った頃から、
バルセロナを真似ようとするチームは沢山出てきました。
しかし、その殆どがうまくいきませんでした。

何故か。

どのチームも、最後の最後でゴールが奪えないか、
もしくは、前線からのプレスが上手く機能しなかったためです。

ポゼッション自体は、実は、そう難しくはないのです。

そこそこ足元の技術の上手な選手を使えば、6割くらいの保持率を保つことはできるでしょう。
ですが、それはクライフの言うような勝率には直結しません。
何故か。
ゴールを奪えないからです。(日本代表も同じ病にかかってますね)

ただでさえポゼッションをすると相手は自陣を固めますので、
ペナルティエリア内は人で溢れます。
その中を切り裂くためには、コンビネーションだけでは限界があり、
スーパーなタレントが必要不可欠なのです。

ひるがえって現在の浦和を考えてみると、
浦和の攻撃陣は、興梠、ズラタン、武藤、李忠成、高木。

確かに興梠はJリーグの中では頭ひとつ抜けた才能を持っていますが、
最後の一線を個で打開できる力があるかと訊かれると……首をひねらざるを得ないと思います。

また、ポゼッションをやろうとして失敗するパターンとしてありがちなのが、
守備がうまくいかないことです。
ポゼッションをして相手陣内まで深く入り込み、
パスを回し続けるとなると、相当な人数が必要になります。
事実、浦和では、CF興梠、シャドーの武藤、李、WGに宇賀神と関根、
トップ下に柏木、さらにルーズボールとパスコースを作るためにCBの槙野と森脇が攻撃に参加します
。相手のゴール前に8人。
バルセロナでさえゴール前には7人ですので、これはちょっと異様な数字です。

そして、バルセロナであれば、
ボールを失ってもその場から素早く(シームレスにとかいいます)プレスをかけボールを回収できるのですが、
これを習得するのはとても難しいのです。
1人くらいはいけます。
でも、それをかい潜られることを想定しての、2枚目、3枚目の連動ができないのです。
そうすると、あっさりとプレスをかわされて、痛烈なカウンターを受けることになります。

今日の浦和の弱点は、ここでしょうね。

前に人数かける→ゴールをこじ開けられるスーパーな選手もいない
→うばわれーる→守備も連動しなーい→カウンターうけーる→失点

の黄金パターンが確立されてしまってます。

ミシャもこのことは重々承知していて、だからこそラファエル・シルバを取り、
だからこそオールタイムハーフコートで戦うと宣言したのですが、現実はこの有様です。
ラファが怪我をした途端、勝てなくなる。2人目、3人目の守備が定着するには時間がかかるので、
これが出来ず、失点ばかりが増えていく。
ラファエル・シルバが健在な頃は、まだ、良かったんです。
失点は相変わらずでも、得点で上回れたので。
ただ、彼が怪我で出場できなくなり、その後調子を落とすと、
得点ができないため、失点過多で試合を落とす。
シンプルでわかりやすい図式に目眩がします。



■ポゼッションサッカーの天敵


ポゼッションサッカーにとって、カウンターは天敵です。
数的優位を作って攻め込むため、
単純に後ろには人がおらず、広大なスペースを残しています。
スピードスターを一人入れて走らせるだけで、あっという間に失点してしまいます。
どんなに前線のプレスが上手くても、ボールを足で扱うサッカーであれば、必ず不慮の事故は起こります。
そのため、ポゼッションをするチームには、何らかのカウンター対策が必要不可欠です。
バルセロナでさえ、1vs1が限りなく強く、
危険なゾーンを必ずカバーしているピケを配置しています。

バイエルンは超絶守備範囲のGKノイアーを引っこ抜いてきました。
対人が強いことは勿論のこと、足が速かったり、戦術眼が良かったりと、
危ない場面を1対1で止めることのできるDFが望ましいと思いますが、
それがどんな形にせよ、カウンター対策がないというのは、
システムとの整合性がとれません。
サッカーは必ず事故が起きるスポーツですし、
絶対はない以上、
最初から対策していないというのはミシャの致命的なミスと言えるんじゃないかなと思ってます。
この詰めの甘さがいかにもミシャらしいのですけどね。



■強者のスタイル


ポゼッションサッカーは、強者のスタイルです。
普通、リーグにおいて格下のチームは守りを固めてくるため、
人数をかける攻撃のスタイルを持たないと勝ち点3は奪えません。
W杯予選のアジア各国と日本の試合のような、あんな感じです。

守備を固めたカウンター・リアクションサッカーでは、
相手次第で試合結果が変わってしまうので、
常に勝利を義務付けられた、優勝を狙うチームには不向きです。
アトレティコ・マドリーのような徹底したカウンター姿勢というのもあるっちゃありますが……
アレはどちらかというと例外でしょうね。
アトレティコは、同じリーグの中に、
レアルとバルサという予算も実力もお化けみたいなチームがあるため、
必要悪としてあのスタイルを選ぶより他はないのでしょう。
もっともそのスタイルでCLを制覇してしまったシメオネの手腕には舌を巻くばかりですが……。

浦和は去年、リーグ優勝こそ逃したものの、
勝ち点では他を大きく引き離して年間勝点1位。
ルヴァンカップも取りましたし、ポゼッションサッカーを志向するのは理にかなった選択であると思います。
ただ、ポゼッションをしてくる強者に対して、
格下のチームはこぞってアンチ強者ワクチンとしての堅守速攻カウンターを仕掛けてくることはわかりきっているのですから、
カウンター対策が不完全では筋が通りません。
森脇も槙野も遠藤も(そして多分西川さえも)守備を評価されて選ばれているわけではないでしょう。
リーグ戦はまったなしです。
この面子で戦う以上、急な守備陣の人的補強は難しい。
それならば、今後、どんな手をうってくるのか。リーグ後半戦の見どころは、そこになるかなーと思っています。



■まとめ


・ポゼッションサッカーはトライアングルと数的優位で常に複数のパスコースを用意する

・ポゼッションサッカーはボールを保持するだけでなく、
 プラスαで「強力なストライカー」と「前線からのプレス」が必須

・ポゼッションサッカーの天敵はカウンターなので、カウンター対策がないと、
 システムとの整合性が取れない

・浦和のここのところの不調は、
 「ラファエル・シルバの怪我で得点が取れなくなったこと(ストライカーの不在)」と
 「前線からのプレス」が機能していないこと (そもそも「前線からのプレス」は最初から機能していない)

・前線からのプレスの有無に関係なく、浦和にカウンター対策の安全弁が全くないことは大きな問題


今日のところはこんなところで。
それでもリスク込みでスペクタクルなサッカーを目指す浦和は、
魅力的なチームだと思います( ・ω・)ノ
2017/06/24

サッカーにおけるコンビネーションのパターン その2

▼・ω・▼ノばぅー


書きかけ記事が一度消えて、脱力中のRisyuです。まいどまいど。
今日は前回の記事の続き、
サッカーの代表的なコンビネーションのパターンについて紹介していきます。
今日の話題は、「カットイン」「フェード」「オーバーラップ」「スクリーンプレー」です。
前回も書きましたが、
コンビネーションの要諦は、複数の人数の動きで、「相手のマークをずらす」ことにあります。



■カットイン

WGがサイドからバイタルへと入ってきて、決定的な仕事を試みるコンビネーションです。バイエルンのロッベンが特に得意としていたプレイですね。トップ下の動きによってマークをずらし、出来たスペースをWGが使います。

1. WGがボールを保持する

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2. トップ下がCBとSBの間にフリーランニングをしかけ、相手ボランチを最終ラインに吸収させる。

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3. WGが空いたスペースにドリブルで侵入(カットイン)し、クロス、ワンツー、シュートを狙う

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■フェード

フェードはドリブルを使わないカットインのようなものです。同様に、WGのボールから状況は開始します。


1. WGがボールを保持する

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2. トップ下がCBとSBの間にフリーランニングをかける (CBとボランチを食いつかせる)

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3. WGはトップ下にパスを入れ……

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4. CBやボランチが空けたスペースに同時に走り込む

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5. トップ下からリターンパスを貰い、シュートやクロス、ワンツーへと繋げる

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■オーバーラップ

1. WGがボールを持つ
(通常はWGですが、浦和の場合は上がってきたCBとか、シャドーから始まるパターンが多い)

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2. SBがWGの背後から駆け上がり、追い越す

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3. WGからSBへボールを出す

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■スクリーンプレー

スクリーンプレーは自分の体を使って、相手の進路を妨害するプレーです。バスケットなどでは常に行われているテクニックですが、サッカーでは以下のように使われます。


1. WGがボールを持ち、味方がペナルティエリア内に3人以上入った所でスタート

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2. WGからファーサイドへクロスを上げる

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3. トップ下がファーに逃げ、WGが中央に走り込む

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4. WGとトップ下がすれ違う際に、WGが相手CBの前に立ち、進路を妨害する

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5. トップ下がフリーでボールを受けて、フィニッシュ



■まとめ

以上が、サッカーの代表的なコンビネーションです。
ボールを保持していない選手の動きによっ、相手DFを動かすことで、
マークをずらしたり、スペースを作って、味方のプレイを助けるコンビネーション。
サイド攻撃と並んで、浦和が相手を崩す際に用いる武器ですので、
よかったら注目して見てみてくださいませ。


それでは、本日はここまで。本日もお読みいただき、
ありがとうございました( ・ω・)ノ

2017/06/23

サッカーにおけるコンビネーションのパターン その1

▼・ω・▼ノばぅー
サッカーの魅力は様々ですが、攻撃側が見せる多彩な崩しのバリエーションは、サッカー最大の魅力の一つでしょう。今日はサッカーにおける代表的なコンビネーションの種類について解説したいと思います。




■コンビネーションとは?

コンビネーションとは複数のプレイヤーが有機的に関わって、相手DFの裏をつくことです。
目的は相手DFのマークを外す/ずらすことにあります。
特にサッカーにおいてコンビネーションというのは、「選択肢を沢山作ること」です。では、選択肢とは何か。選択肢とは、パスコースのことです。
つまり、常にパスコースを複数作ることが、コンビネーションの要です。では、どうすればパスコースを複数用意できるのか。それは、常に前線(だけじゃないけど)の選手がよい距離感をもってトライアングルを作ることです。複数の選手で三角形を作り、複数のパスコースを確保し、相手DFに的を絞らせないことで、はじめてコンビネーションによる崩しが効果を発揮するのです。




■サッカーの代表的なコンビネーション

ドリブル(コンビネーションじゃないけど)
ポストプレー
ワンツー
スルー
カットイン
フェード
サイドのオーバーラップ
スクリーンプレー




■ドリブル突破


ドリブルの一番の効果は、相手の守備人数を一時的に減らせることです。それによって、相手DFはかわされた選手の穴埋めのために持ち場を離れて対応せざるをえなくなり、中央の味方はフリーになれます。

<例①>
“WGがサイドをドリブル突破する”
狙うのはエリア内のこのゾーン
ここに侵入することで、相手CBは対応するために釣り出されるので、中のマークがズレて、FWはフリーになるチャンスを貰える

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<例②>
“CBとSBの間を抜く”
“内側へカットインしてシュート したり パス”したり

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マークを外した後は、パスをするなり、シュートをするなりします。ただし、ドリブルの弱点は、奪われるとほぼ確実にカウンターを受けることです。ドリブルをカットされるということは、ドリブルで抜かれたのと同じ状況を相手に与えてしまいますので、味方はそのカバーのために走らなければなりませんし、場所によっては広いスペースと味方-1人の状況を生んでしまいます。




■ポストプレー


①CFが裏へ抜ける動きをして、DFラインを下げる


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②相手DFラインが下がった瞬間を狙って、CFが反転する

③2ライン間(DFとMFの間)でボールを受ける


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④ボールを受けたCFはあらためて、ボランチやトップ下にボールを落とす

⑤ボールを受けたMFが改めてボールを裏に出す



代表的なポストプレーはこんな感じです。他にも、
・放り込まれたボールをキープして味方の押し上げを待つ  とか
・もらったボールをMFに落とさず、頭でそのまま前(DFの裏)に送る (フリックと言います)
とかいうプレーもあります。
浦和だと、武藤がとても得意にしているプレーですね。高さに合わせるならズラタン、日本代表だと大迫がよくやります。




■ワンツー

別名、パス&GOです。パスを出して、目の前の相手DFをはがして、また自分が受ける動きのことです。これは単純にやると相手に読まれてしまうので、後述するカットインと絡めて使うことが多いです。





■スルー

ワンツーをより複雑にしたようなコンビネーションです。図で見るとこんな感じです。

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だいたいこんな感じです。
WGからトップ下とかシャドーにパスを出す
トップ下 or シャドーはパスを受ける動きをいれて、相手CBを釣り出す
トップ下 or シャドー はパスを受けず、そのままパスをスルー or フリック
CFがボールを持った所で、トップ下 or シャドーとWGが釣りだしたDFの裏へ走る (この時トップ下 or シャドーが相手のCBとWGの間に体を入れて、CBの動きをブロックしたりする)
リターンパスを貰って、FINISH!
沢山の人数が関わった複雑なプレイですけれど、ポイントはやっぱり相手DFの釣り出しと置き去りです。前線の選手たちの意図が一致しないとできませんが、こういうプレーは浦和の得意なパターンです。武藤、興梠なんかは積極的にスルーをして、相手の裏をつくのが上手ですね。



■続きは次回

ちょっと長くなってしまったので、カットイン、フェード、オーバーラップ、スクリーンプレーについては次回に回します。お付き合いありがとうございました▼・ω・▼
2017/06/22

浦和レッズの基本戦術

▼・ω・▼ノばぅー
みなさん、初めまして。ホーム戦はなんだか皆勤賞のぬるい浦和ファンです。サッカーについて日々思うことを徒然と書きなぐっていきますので、よろしければおつきあいください。
さて、本日のテーマは浦和レッズの戦術についてです。細かいところは省き、おおまかな戦術の概説をしていきたいと思います。
浦和レッズはミハエル・ペトロヴィッチ監督の下、今年で6シーズン目になります。このペトロヴィッチさんが目指すサッカーというのは超攻撃的&独特で、世界でもあまり例をみないシステムを採用しております。浦和ファン・Jリーグファンの方には今更な解説になりますが、笑って読み飛ばしてもらえると幸いです。

■浦和レッズのフォーメーション


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キックオフ時にはこんな感じになってます。無理やり表記すると「3-2-4-1」になるんでしょうかね。ただ、このフォーメーションは、守備時・攻撃時には次のように変化します。



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ウィングの関根と宇賀神が強烈に高い位置に上がり、同時にセンターバックの槙野と森脇も攻撃に参加します。1トップ(興梠)と2シャドー(武藤・李)、ウィング(関根・宇賀神)で擬似5トップのような形を取るんですね。また、ルーズボール処理やコンビネーションのため、CB(槙野・森脇)が高い位置まで上がり、攻撃をバックアップします。後ろに残るのはCB1枚とボランチ1枚とGK、そして広大なスペース。超攻撃的と言われる所以ですね。



■浦和レッズのサッカー

浦和レッズが志向するのは、ポゼッションサッカーです。常にボールを保持し、ショートパスを駆使し、相手陣内へ攻め込む。相手に奪われそうになったら、DF、ボランチ、GKなど安全な位置にバックパスをし、もういちどやり直す。そうやって相手にボールを渡さず、常に自分たちのペースで試合を進めるサッカーを目指しています。

■浦和レッズの攻撃パターン
浦和の狙う攻撃のパターンは2種類です。(あれ、3か?)
①サイドをえぐってクロスからの得点 (横幅をワイドに使っての攻撃)
②中央バイタルエリアでのコンビネーションによる崩し (中央縦の動きで相手を崩しての攻撃)
③ロングボールで相手のDFラインの裏をとっての速攻
浦和のサイドアタッカーの宇賀神、関根、駒井は縦のドリブルの突破力に定評のある選手です。また、中央で待ち構えるCFの興梠、シャドーの李、(他にもスーパーサブのズラタン等)は体の使い方が上手かったり、空中戦を得意にしています。そこで、サイドから相手のSBを置き去りにし、鋭いクロスからの得点を狙います。
特に、相手のDFラインが4バックの場合、どちらかのサイドからの攻撃となると、DFラインは攻撃されているサイドにスライドしていかなければなりません。サッカーのピッチの横幅はだいたい68メートル(※実はルール上では45~90メートルであればOKなのですが(!)、事実上ほとんどのスタジアムで68メートルとされています)なので、4人で守るには少々広すぎます。そこで、右に左にボールを動かし、相手のディフェンスラインをスライドさせ続け、DF同士の距離にズレを作らせたうえでの攻撃はとても有効です。
もうひとつのパターンは、中央バイタルエリアでのコンビネーションです。浦和の選手たちはショートパスでのプレイを得意にしており、狭いゾーンでのショートパス、スルー、カットイン、ワンツー、ポストプレー、フェード等のテクニックを駆使して、相手のDFを突破します。浦和の攻撃陣は、個々のプレーヤーのアイディア、足元の技術、阿吽の呼吸などはJリーグの中でも頭ひとつ抜けていると言っても過言ではありません。ワンタッチ、ツータッチ、ノータッチでDFの間を崩してゴールを狙います。特に、絶対的ストライカーの興梠、ラファエル・シルバを擁する浦和の得点力は強烈です。
最後に、ロングボールです。浦和対策は大きく分けて、「前線からのプレス&高いDFラインでビルドアップを妨害する」か「DFラインを引いてブロックを作って守る」の2パターンがありますが、ラインを上げて対応してくる相手にはロングボールが有効です。特に浦和には、遠藤・西川というピンポイントのロングパスが非常に上手い選手がいます。かつてのボルシアドルトムントにいたフンメルスのように、一番深いバックラインからピンポイントで前線の選手の足元にパスを供給することができます。これによって中盤をすっとばして、相手DFの裏をとったり、WGの関根・宇賀神からの攻撃につなげることができます。




■浦和レッズの守備


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守備時にはウィングがそのまま下がってきて、5バックを形成します。5-4-1ブロックですね。もっとも相手によって、4バックの4-1-4-1ブロックになったり、5-3-2ブロックになったりします。
とはいえ、浦和がこの形で守備ブロックを形成するシーンはほとんどありません。
なぜなら、今シーズンの浦和レッズが掲げる目標は「オールハーフコート」ゲームだからです。90分間相手コートの中で試合を進め、相手にプレーをさせずに勝利をするサッカーを狙います。そのため、守備のファーストチョイスは、奪われた瞬間からの守備になります。系統としてはオールコートマンツーマン。トータルフットボールの系譜、ペップ・グァルディオラ監督時代のバルセロナに近い守備哲学ですね。
かつてのバルセロナは「奪われたら5秒以内に奪い返す」という守備からのポゼッションサッカーで世界を席巻しましたが、浦和の狙う守備はまさにこの往時のバルセロナです。

■浦和レッズの弱点

一方で、浦和の守備にはわかりやすい弱点があります。それはポゼッションサッカーの宿命とも言えるものですが、「カウンターに弱い」点です。前線に人数をかけ続けるため、変な形で奪われれば即座にカウンターをうけます。前線に5人、CBも2人上がると、最終ラインに残るのはCBとボランチの2名のみです。広いスペースもあります。数的同数で勢いにのった相手のFWの相手をCBとボランチ1枚で守るのは至難の業です。今年は特に失点が多いですが、その半分以上はこのカウンターでやられています。

■まとめ
以上が、2017年の浦和レッズの基本戦術です。次回以降で、もう少し細かい点を解説していきたいと思いますので、よろしければお付き合いください。今のところ考えているテーマは、「浦和のコンビネーションの種類」「ポゼッションサッカーとは」「浦和のビルドアップ」「セットプレーの守備」「マンツーマンディフェンスとゾーンディフェンス」「SB・WGの役割」「対浦和戦術 -浦和を攻略するための方法-」「世界の戦術史」などなどです。

■まとめのまとめ

浦和が目指すのは、超攻撃的なポゼッションサッカー
サイドの幅と中央の縦を活かしたコンビネーションの2パターンが浦和の攻撃の形
ロングボール1本で相手を崩す攻撃も得意
守備は奪われた瞬間から始まるマンツーマンでの封じ込めが基本
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